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Posted by おてもやん at

2017年08月18日

先週8月9日(水)に病院との団体交渉を行いました。

みなさん、久しぶりの更新になります。

報告になってしまいますが先週8月9日(水)に病院との団体交渉を行っています。過去の未払い時間外手当の支払い等について回答を得ています。
また、この間、組合が求めていた事業主がすべき実労働時間の管理や年休取得推進についての労務研修会が開催され、新人だけですがハラスメント防止の学習会が行われたりと病院が労務管理を意識し始めている感じを受けていますが、皆さんの実感はいかがでしょうか・・・?

さて、皆さんに団体交渉の報告を行うビラをお届けするつもりが雨の日も多く出来ていません。近日中にはと思っています。




そして今回の団体交渉では事業主の責任で行われるべき実労働時間の把握と、施設で開催される様々な研修会等の取り扱いについて労使で決裂し大きく議論になりました。

みなさんにお願いしたいのは、
①朝でも夜でも所定時間外に業務を行った場合は1分単位で時間外申請を行うこと

病院が通知する○○研修会や○○説明会という参加招請の文書で対象者の項目に
②「全職員」だとか「必ず」だとかの記載があり、
又、「自由参加であり時間外手当の対象とならない」という記載が無いもの


については必ず時間外申請を行いましょう。




組合は過労死、過労自死を起こさないために、今年1月に厚労省が発出している
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf
に沿った実労働時間の正確な把握を病院に求めています。

また、同様に未払い時間外手当はあってはならないという観点で、施設内外で行われ業務遂行に関わる研修会や学習会、半ば強制され黙示の指示と受け取られる説明会などのすべてのものは「業務」にあたり時間外手当の対象となると考えています。





もし申請をして病院側が手当を削るような事があれば、組合にご連絡下さい。その際は申請した時間外勤務命令簿と、削られて支払われなかったことが分かる給与明細を持参下さい。

また、申請の水際で上司から「出ないから申請しないで」と言ったような発言があり申請そのものが出来ないということがあればご相談下さい。

又、事情で組合に相談しにくい立場の方は熊本県労働基準監督署
http://kumamoto-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/kantoku/list/kijun01.html
に相談・申告も出来ます。
  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 19:17Comments(0)労働時間関係その他の労働条件関係

2017年03月16日

3.7日本医労連『国会議員要請』へ参加しました。

3月7日(火)東京霞が関の衆議院第一議員会館会議室にて日本最大の医療労働者でつくる労働組合『日本医労連』が主催する国会議員要請行動に行きました。

参加者は300人近くで、開催が昼だったこともあり与党・野党どちらも国会議員、議員秘書が激励に駆け付けました。
この行動の中では、昨年大きなニュースになった電通の過労自死事件の代理人を務める川人博弁護士も来られて講演されました。
川人弁護士はこれまで受け持った看護師や医師の過労死・過労自死事件の概要と医療現場で繰り返される過労死の根本的な問題、求められる法的規制についてお話しました。
国会内議員要請行動の様子



川人弁護士は、東京都済生会中央病院で起こった看護師過労死事件や、東京都葛飾赤十字産院で起こった上司のパワハラを苦に自死した事件等、数多くの過労死、過労自死した医療従事者の代理人を務めています。

事件が繰り返されている原因について代理人を担当してきた経験から、川人弁護士いわく「過労死、過労自死の労災認定の際に、医療従事者、特に看護師をはじめ夜勤交代制勤務労働者の労災認定の現状は、労働者の負荷を過少に評価する傾向が強く、実情に合っていない」と指摘。

現在、過労死認定の社会的定義は2001年11月の厚労省専門検討会報告の「過労死ライン」の定義は睡眠時間6時間を確保できない状況と設定が定説になっています。

常日勤者の場合1か月の時間外労働が80時間していると睡眠時間は6時間を確保できず、1か月100時間になると睡眠時間は5時間を確保できないといわれており目安とできます。

しかし日中働く常日勤者と違う夜勤を行う夜勤交替制勤務の労働者の場合は、その不規則性、心身への有害性、過度の緊張を伴う医療現場の特殊性を考慮すると常日勤者と同等と考えるべきではなく、川人弁護士の私見として「夜勤交替制勤務者の時間外労働過労死ラインは1か月40時間程度と考えるべき」と提言しました。

川人博弁護士



先進諸外国であるEUにはすべての働く労働者に厳格なインターバル(実労働時間以外の休息時間)規制を行っています。
EU「労働時間編成指令」には24時間につき最低連続11時間の休息時間の義務化の規定がありEU加盟国はこれを最低基準として各国の法整備を行っています。
(例えば23時まで残業を行った場合は翌日の勤務は朝10時まで免除される。)

川人弁護士は「夜勤交替制そのものがすでに心身に負荷を与えており夜勤交替制勤務労働者の時間外労働は、本来ゼロにするべき」と言い、
スウェーデンへに視察に行った際に、スウェーデンでは長時間労働による過労死裁判の判例は無かったこと、長時間労働ではなく、残業時間ゼロであった夜勤交替制の看護師の労災裁判の事例のみがあったことの紹介がなされました。

日本では命を預かる医療現場で社会的意義のある職場にも関わらず「働きすぎがやむを得ない」という風潮があり、
日本政府は先進諸外国政府が批准する「ILO1号条約(8時間労働)」「ILO夜業条約」「ILO看護職員条約」も批准していません。

川人弁護士からは医療従事者の健康なくして国民の健康は守られないことを考えると夜勤交替制勤務労働者には独自の労働時間規制の必要性・緊急性が訴えられました。






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日本医労連も日赤の労働組合:全日赤も熊本県医労連も

夜勤交替制勤務を行う労働者は労働時間を「週32時間」に短縮することを政府、国会議員、日赤本社、熊本県へ求め働きかけています。


日本看護協会、そして日本赤十字社本社も夜勤交代制勤務者の労働条件を

インターバル(勤務間隔)<勤務間隔>11時間以上、

<勤務の拘束時間>残業を含む勤務の拘束13時間以内、

<夜勤回数>夜勤回数3交代勤務は月8日以内、

<夜勤後の休息(休日を含む)>夜勤後の休息は2回連続夜勤後に48時間以上、

1回夜勤後は24時間以上の確保


をガイドラインとして発表しています。
日赤の就業規則で定められた労働時間は「週38時間45分」ですが、心身への負担を少なくしこのガイドラインの水準を充たすのにも夜勤交替制勤務者の「週32時間」は必要な時間規制です。

この夜勤交替制勤務者の時間規制問題は立場の違いはありますが労働団体、使用者団体、職能団体が共に危機感を共有しています。
私たちの働く職場でもう過労死、過労自死は出てほしくない。

是非もっとたくさんの方に知っていただき、一緒に医療職場の時間規制について訴えていきたいと思っています。
  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 18:22Comments(0)労働時間関係社会情勢関係

2017年03月15日

「育児短時間」制度等の利用について

春の兆しが見えたと思った矢先の寒さ再到来。
今週末からは暖かくなる予報ですが、待ち遠しいかぎりです。
さて、本日は「育児短時間」制度等の利用についてです。
出産後、育児休業等を終えて職場復帰する際に、「育児短時間勤務制度(育短)」を利用する職員が増えています。
それにともない、組合に相談も寄せられていますのでよくある質問にお答えしたいと思っています。


相談>「育短」勤務中です。日勤の職員より2時間早く帰ることになっていますが、なかなか決められた時間には帰れず、通常の日勤の終業時間まで残って働くこともあります。
時間外手当の取り扱いはどうなりますか?

回答>原則として「育短」制度は残業をさせてはならないことになっています。
これは日赤本社と全日赤(労働組合)の交渉でも確認を取っており、日赤本社も「育短者に残業をさせてはならない」「そのような実態があるなら指導する」と言っています。

しかしながら現場は忙しすぎて指定の時間に帰ることができず、残って仕事をしてしまうことは少なくありません。
育短中の賃金は、短縮された勤務時間数で計算され支給されることになっているので、そもそも常勤者との賃金に差があります。
ですので残って働いた時間分の賃金は時間外勤務の申請をしなければ保障されません。
面倒でも、残業をした場合はきちんと申請するようにしましょう。
通常日勤の終業時間までなら100/100の扱いで保障されます。

また、夏や冬のボーナス(一時金)額はもともと短縮されている時間が232時間30分(7時間45分×30日)を超えていると超えた時間分が在職期間から減算されることになっています。<勤務しなかった時間の合算が30日超えた場合に当該超過期間を在職期間から除算されている。

この在職期間は一時金の算定にも影響しますので、育短者が時間外申請をするかしないかで毎月の給料に加えて、一時金の支給額も変動するということになります。

育短者が指定した時間以外の労働を行った場合は必ず申請しましょう。




◇全日赤から「妊娠・出産・子育ての手引き:パパ・ママパンフ」改訂版発行されています。

日赤は女性の多い職場だからこそ妊娠・出産・育児に対する制度が充実しています。
しかし複雑な制度もあり管理者が誤った運用を行っていることも多々あります。
正確に利用する為にも制度を正確に知りたいですね。

先だって、全日赤本部から発行された2017年度の「妊娠・出産・子育ての手引き:パパ・ママパンフ」改訂版がかなり見やすいのでそれも参考に下さい。

http://www.zennisseki.or.jp/data/2017/pama2017s.pdf
  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 17:14Comments(0)労働時間関係

2017年03月09日

ヤマト未払い残業代支給へ

ヤマト未払い残業代支給へ
宅配便最大手のヤマトホールディングスが、約7万6千人の社員を対象に未払い残業代の有無を調べ、未払い残業代について過去にさかのぼって支給する方針で、支給総額は数億円にのぼる可能性があります。
サービス残業が広がる宅配現場の改善に向け、まずは未払い分の精算をした上で労使が協力して労働環境の正常化を進めるとしています。
同社の宅配ドライバーは、専用端末を使って勤務時間を管理。しかし、端末の電源を入れる前や端末返却後にも仕事が行われ、サービス残業が常態化していました。





熊本日赤ではどうでしょうか・・・?


・昨年12月に時間外勤務命令簿の記載の仕方が若干変わりましたが、皆さんは申請をしやすくなりましたか?

・始業前に働いた分は時間外請求できていますか?

・夜勤等で休憩が取れなかった場合、”休憩取れず”で時間外請求していますか?

・朝食配膳のため、早く出勤してお茶配っていませんか?

・全職種の新採用者のみなさん。働いた分は時間外請求できていますか?

・「自分の時はサービス残業なんて当たり前だった」と、部下にも同じ事を求めていませんか?




他の日赤施設では組合の要求に応え院長が「時間外労働についてのトップメッセージ」を発信したところもあります。以下トップメッセージ抜粋
『すべての職員が気持ちよく働ける病院となるために、「サービス残業をしない、させない職場風土作り」を目指しています』



サービス残業の問題はその施設の管理職の意識と姿勢で改善されると言われます。
立場の弱い職員の自己責任にするのではなく、職員の健康と働きやすさを守り、患者さんへの医療サービスの向上につなげる為にも管理職には行った時間外は把握し支払う、命令簿には必ず申請させる、するように促す努力が必要です。
  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 20:04Comments(0)労働時間関係社会情勢関係

2017年02月02日

1月20日付けで厚労省はサービス残業根絶のための新通達

1月20日付けで厚労省はサービス残業根絶のための新通達を出しました。
これは厚労省労働局長が各都道府県労働局長にあてて、使用者によってごまかされがちな労働時間や電通過労自死事件などで問題となった残業時間の自己申告制などの対応について明文化しています。


新設した『労働時間の考え方』の項目には
労働者が使用者の指揮命令下にあれば明示的な指示がなくても労働時間にあたるとしています。

●労働時間として認められるもの(具体例)

着替えなどの準備行為
清掃などの後始末
指示があればすぐに業務に入る必要がある待機時間(いわゆる手待ち時間)
参加義務のある研修や学習など





労働者に労働時間を自己申告させる際に、実際の労働時間より短く報告させる過少申告が問題になっている『自己申告制』について

●使用者が講ずべき措置として
職場の入場記録や、パソコン使用時間の記録などと自己申告時間のかい離をもとに実態調査し、補正することを明記。
『自主的な研修』なども、実際には使用者の指揮命令下にあれば労働時間として扱う。


この新通達の趣旨には、『使用者は、ガイドラインを順守すべきものである』と記載。
順守指導において悪質事案では『司法処分を含めて厳正に対処』するとしています。
  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 08:21Comments(0)労働時間関係労働行政関係

2017年01月24日

「過労死ゼロ」緊急対策=(厚労省2016.12.26)

電通の過労死事件を受けて、昨年末、厚生労働省は【過労死等ゼロ】緊急対策を打ち出しました。
今年2017年1月1日からスタートです。
その中には企業に対し、新たなガイドラインを定め、労働時間の適正把握を徹底することや、違法な長時間労働等を複数の事業場で行う等の企業に対して全社的な是正指導を行うこと。労働行政がパワハラ対策の必要性、予防・解決のために必要な取組なども含め指導を行うこと等が盛り込まれています。


新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底に関し厚労省は新たな取り組みとして
下記のことが新たに追加されました。


○使用者向けに、労働時間の適正把握のためのガイドラインを新たに定める。

○内容として、

 
①労働者の「実労働時間(※残業を行った時間を含む全ての労働時間)」と「自己申告した労働時間」に乖離がある場合、使用者は実態調査を行うこと

 
②「使用者の明示または黙示の指示により自己啓発等の学習や研修受講をしていた時間」は労働時間として取り扱わなければならないこと等を明確化する(2017年1月1日より実施)



この②については
日赤職場でも常態化している
○○委員会、○○学習会、研集会等、職場で行われ、いままでは「自己研鑽」として上司から時間外労働なのかが曖昧にされ、時間外勤務命令簿に書きづらかったものが「労働時間」として取り扱わなければならない。と明確に打ち出された画期的な取組です。

『使用者の明示』というのは「上司(課長・師長クラス)が業務命令として発した場合を指しますが、『黙示の指示』とは「上司がその会議等の必要性を認識していたり、執拗に参加を促したり、出席を暗に強制している場合も”業務命令があったと見なされます。




「出てもらわなければ困る」

「あなただけが○○学習会に出ていないわよ」

「まだ受けてないの?」

「自己研鑽の為」


と言って暗に出席を強制させられる就業時間外の委員会、学習会、研集会等は労働時間となると言っていいでしょう。
逆に「出席しなくても良い、有志の学習会」「チラシなどで宣伝しただけの研集会」「受講してもしなくても個人の評価や日常業務に影響が無いもの」は労働時間にはあたらないといえます。



ここまで読んで、ふと気づきませんか?日赤職場で看護部を中心にこの「自己研鑽」で出席させられる業務が多かったと。
それはほぼ全て時間外労働として認められ、病院は時間外手当を支払わなければならないものです。

これは、もう2度と電通のような過労死、過労自死をうまない為の国の施策であり、組合もこの事に大いに賛同し推進していきます。
職員の皆さん。是非、正確な時間外請求を行い、もし時間外申請が勝手に削られている、申請前に上司に削除を迫られた、朝礼で時間外申請の抑制を言われているといった事があれば、労働組合にご連絡下さい。
  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 20:18Comments(0)労働時間関係労働行政関係

2016年12月19日

『労働時間』ってなんだろう~労働時間の範囲について~

こんにちは。急にぐっと寒くなりました。
今週はぽかぽか陽気になるそうですが、人間は急な気温の変化の下では疲労感や体調不良になりやすいみたいです。
皆さんくれぐれもお体大事にして下さい。

さて、今日は労働時間とは何か。労働の範囲は法的にどこまで含まれるのかを書きたいと思います。
組合の交渉で、経営者側が「『自己研鑽』または『自習、研究』または『本人のキャリアアップの為の作業』は労働時間では無い。」とよく発言します。

もし、職員が『自己研鑽』の為に患者さんに関わるカルテを見たら・・・患者さんの看護をしていたら・・・サマリー作成していたら・・
私たち医療従事者が患者さんの個人情報に触れて良いのは所属する病院で『労働』しているという事実があるからで、『自己研鑽』や『研究』の為に作業するのであれば、その患者さんご本人に同意書を取らなければならないでしょう。

そして、もし経営者の言う『自分の時間を使った自己研鑽』中に、ケガをしたら?
労災認定はされず、個人の過失としてなんらの保障もされません。

患者さんの個人情報に触れて良いのも、作業中にケガをしても労災だと認められ私傷病よりも手厚い保障を受けられるのも『労働』している実態があるからです。

(1)労働時間法の大原則
労基法では、労働時間の上限と例外を定めています。その大原則は以下です。

①労働時間は原則として1日8時間(日赤の場合は7時間45分)、1週40時間(日赤の場合は38時間45分)を超えてはならない(労基法32条)

②労働時間は、原則として実労働時間で算定する。
労基法は最低労働条件を定めているので(1条2項)、その基準を下回るものは(職員の同意があっても)無効(13条)になり労基法通りとなる(13条)

日赤は労基法よりも上回った所定労働時間(7時間45分)、そして休憩45分を定めています。

>労基法では労働時間(実労働時間)が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を付与しなければならないと定めています(34条1項)
日赤の所定労働時間7時間45分を超え15分残業を行うとすると、実労働時間は8時間を超えますので必ず15分の休憩を与えなければなりません。
又、7時間45分労働で休憩時間が45分より短いことは労基法違反となり、休憩時間中に業務をしなければならなかった場合は時間外手当が発生します。
しかし休憩時間を1時間20分にするなど長くすることに法律上の規制はありません。


(2)労働時間とは


①「労働時間」の定義


労働時間とは、使用者の指揮命令下で、労働力を提供した時間をいう。
実作業に従事している時間のみならず、作業の準備や後処理を行っている時間(②)、待機している時間(③)も実労働時間である。


②作業の準備・整理を行う時間


「労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行う事を使用者から義務付けられ、または、これを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、特段の事情がない限り、使用者の指揮命令下に於かれたものと評価する事ができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものであるかぎり、労働基準法上の労働時間に該当する」(三菱重工長崎造船所事件/最高裁h12.3.9労判778号)と判示し、

作業服及び保護具の装着及び更衣、準備体操場までの移動、始業時間前の資材の受け出し及び散水、実作業の終了後の作業服の脱離の各時間について労働時間性を認めた。


③手待時間、仮眠時間

作業の途中で次の作業のために待機している時間(手待時間)や「仮眠時間」とされていても、必要が生じれば直ちに対応することが義務付けられている時間は実労働時間であり休憩時間ではない。
労働義務から解放されているか、場所的、時間的な拘束の程度から判断される。(大星ビル管理事件/最高裁h14.2.28労判822号、江東運送事件/h8.10.14労判706号)


④所定時間外や休憩時間中に行われる研修・教育活動や企業の行事(運動会、新年会など)への参加
参加の強制がなく自由参加であれば時間外労働にはならないが参加しない事による不利益取り扱い等、事実上参加を強制される場合には労働時間となる(S26.1.20/基収2875号)


⑤黙示の指示と労働時間

労働時間は使用者の指揮監督下の時間をいうから、黙示であっても指揮監督下であると言えば実労働時間である。
所定の労働時間内には終了しないような作業を命ぜられた場合には、明示の指示がなくとの黙示の指示による残業である(三栄珈琲事件/大阪地判h3.2.26労判2983号)
また、職員が終業時刻以降も就労しており、上司がそれを知って放置しているような場合でも指揮監督下の労働となる。

労働組合が病院に時間外労働の把握は使用者責任でされるべきことであり、
又、職員から申請のあった時間外労働は明らかに業務ではない場合のみを除外して認めるべきと追及するのもその為です。

そして職員の皆さんにも自らを守る為にも、患者さんに安心して医療サービスを受けて戴くためにも必ず所定労働時間外に働いたら時間外手当(残業代)を申請しようと宣伝しています。
  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 14:29Comments(0)労働時間関係

2015年04月15日

時間外手当について

さて、新年度になり熊本赤十字病院、支部、血液センター、検診センターにも新しい職員が迎えられました。
是非、新しい皆さんにも加入できる労働組合があることをお知らせしたいことと、1年目の皆さんも働く際には守られなければならない働くルール(権利)がありますので是非知っていてください。ちょこっと書きます。

*時間外手当について
1年目であっても所定労働時間(日赤の日勤労働者は実働7時間45分)を超える勤務時間は残業代を請求して良い。

@組合のある他の赤十字施設でも、新入職員の残業申請がしにくいとの声をよく聞きます。先輩に組合員がいれば「よく『付けなきゃいけないよ』と声をかけて比較的付けやすい」という声を聞く一方、「特に師長や先輩から何も言われないし、まだ仕事も覚えていないから書きづらい」と自己抑制してしまう事もあります。
本来なら施設が一部でなく全職場にタイムレコーダーや出退勤管理カードの導入を行うべきですが残念ながらまだそのような状況には無いようです。
残業実態が把握されないことは職員の健康管理への悪影響や無償労働にも繋がり大変深刻な問題です。怖い師長や上司がいてすぐに残業申請しにくい場合は毎日自分の手帳に記載し、後から申請することも可能です(残業代は労基署で2年分遡って申告ができますが、2年以上前でも請求は可能ですので組合に相談下さい)

●ポイント●
1-日赤職場は(日勤:7時間45分)を超えると全て残業になる
2-始業前の情報収集業務や、昼食が取れなかった又は短時間しか取れなかった場合、深夜勤務中の休憩未取得も申請可能。師長の持ち帰り勤務表作成なども対象。
3-残業代申請出来る勤務(業務)の範囲は例えば 始業前の情報収集、看護計画・退院・転院サマリー、業務上の「研修会」「委員会」「会議」、新人看護師への指導、臨床指導者の実習記録の点検、プリセプター業務、看護研究、病棟相談会、チーム会など。<08年大阪高裁・地裁>
4-1日5分、10分などの短時間でも1ヶ月間の総残業時間が30分を超える場合は施設の支払い義務が発生
5-業務で申請した残業時間が削られ支払われなかった、上司が申請の段階で認めないという場合は刑事罰の対象になる(※お金を盗む窃盗のようなものにあたる)
6-残業の管理は自分の手帳に記載したものでもOK。
管理しやすいように組合では出退勤管理簿を作成(PDFデータ2種)していますので活用下さい。労基署に申告に行く際にも大変便利です。

次回は、みんなが嬉しい『休暇』についてです。お楽しみに!


  


Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 16:03Comments(0)労働時間関係