2017年03月16日

3.7日本医労連『国会議員要請』へ参加しました。

3月7日(火)東京霞が関の衆議院第一議員会館会議室にて日本最大の医療労働者でつくる労働組合『日本医労連』が主催する国会議員要請行動に行きました。

参加者は300人近くで、開催が昼だったこともあり与党・野党どちらも国会議員、議員秘書が激励に駆け付けました。
この行動の中では、昨年大きなニュースになった電通の過労自死事件の代理人を務める川人博弁護士も来られて講演されました。
川人弁護士はこれまで受け持った看護師や医師の過労死・過労自死事件の概要と医療現場で繰り返される過労死の根本的な問題、求められる法的規制についてお話しました。
国会内議員要請行動の様子



川人弁護士は、東京都済生会中央病院で起こった看護師過労死事件や、東京都葛飾赤十字産院で起こった上司のパワハラを苦に自死した事件等、数多くの過労死、過労自死した医療従事者の代理人を務めています。

事件が繰り返されている原因について代理人を担当してきた経験から、川人弁護士いわく「過労死、過労自死の労災認定の際に、医療従事者、特に看護師をはじめ夜勤交代制勤務労働者の労災認定の現状は、労働者の負荷を過少に評価する傾向が強く、実情に合っていない」と指摘。

現在、過労死認定の社会的定義は2001年11月の厚労省専門検討会報告の「過労死ライン」の定義は睡眠時間6時間を確保できない状況と設定が定説になっています。

常日勤者の場合1か月の時間外労働が80時間していると睡眠時間は6時間を確保できず、1か月100時間になると睡眠時間は5時間を確保できないといわれており目安とできます。

しかし日中働く常日勤者と違う夜勤を行う夜勤交替制勤務の労働者の場合は、その不規則性、心身への有害性、過度の緊張を伴う医療現場の特殊性を考慮すると常日勤者と同等と考えるべきではなく、川人弁護士の私見として「夜勤交替制勤務者の時間外労働過労死ラインは1か月40時間程度と考えるべき」と提言しました。

川人博弁護士



先進諸外国であるEUにはすべての働く労働者に厳格なインターバル(実労働時間以外の休息時間)規制を行っています。
EU「労働時間編成指令」には24時間につき最低連続11時間の休息時間の義務化の規定がありEU加盟国はこれを最低基準として各国の法整備を行っています。
(例えば23時まで残業を行った場合は翌日の勤務は朝10時まで免除される。)

川人弁護士は「夜勤交替制そのものがすでに心身に負荷を与えており夜勤交替制勤務労働者の時間外労働は、本来ゼロにするべき」と言い、
スウェーデンへに視察に行った際に、スウェーデンでは長時間労働による過労死裁判の判例は無かったこと、長時間労働ではなく、残業時間ゼロであった夜勤交替制の看護師の労災裁判の事例のみがあったことの紹介がなされました。

日本では命を預かる医療現場で社会的意義のある職場にも関わらず「働きすぎがやむを得ない」という風潮があり、
日本政府は先進諸外国政府が批准する「ILO1号条約(8時間労働)」「ILO夜業条約」「ILO看護職員条約」も批准していません。

川人弁護士からは医療従事者の健康なくして国民の健康は守られないことを考えると夜勤交替制勤務労働者には独自の労働時間規制の必要性・緊急性が訴えられました。
3.7日本医労連『国会議員要請』へ参加しました。






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日本医労連も日赤の労働組合:全日赤も熊本県医労連も

夜勤交替制勤務を行う労働者は労働時間を「週32時間」に短縮することを政府、国会議員、日赤本社、熊本県へ求め働きかけています。


日本看護協会、そして日本赤十字社本社も夜勤交代制勤務者の労働条件を

インターバル(勤務間隔)<勤務間隔>11時間以上、

<勤務の拘束時間>残業を含む勤務の拘束13時間以内、

<夜勤回数>夜勤回数3交代勤務は月8日以内、

<夜勤後の休息(休日を含む)>夜勤後の休息は2回連続夜勤後に48時間以上、

1回夜勤後は24時間以上の確保


をガイドラインとして発表しています。
日赤の就業規則で定められた労働時間は「週38時間45分」ですが、心身への負担を少なくしこのガイドラインの水準を充たすのにも夜勤交替制勤務者の「週32時間」は必要な時間規制です。

この夜勤交替制勤務者の時間規制問題は立場の違いはありますが労働団体、使用者団体、職能団体が共に危機感を共有しています。
私たちの働く職場でもう過労死、過労自死は出てほしくない。

是非もっとたくさんの方に知っていただき、一緒に医療職場の時間規制について訴えていきたいと思っています。


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Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 18:22│Comments(0)労働時間関係社会情勢関係
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